ある日、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。
出てみると、見覚えのない若い方がゴミ当番の鍵とカバンを届けてくれました。
その時、その方がふと口にした言葉・・・
「お宅のお庭、いつも素敵だなあって見ています。実家の母を思い出します」
思いがけない一言に、私は驚きつつも心がふわっと温かくなりました。
その方のお母様も、カントリー調の暮らしがお好きで、パッチワークや刺繍を楽しんでいるそうです。
まるで私のことのようだな、とどこか親近感を覚えました。
我が家の庭のこと
我が家の庭は、どちらかといえば「自然まかせ」のスタイル。
多年草を中心に植えていて、季節ごとに芽吹いたり、花を咲かせたりしてくれます。
庭には、植えたかったシンボルツリーのヤマボウシ、シマトネリコ、オリーブの木、アメリカハナミズキ。
それに、バラやネペタ、芍薬、ギボウシ、ムスカリ、ローズゼラニウムといった花やハーブたち。
垣根にはモッコウバラを。
お世話は気が向いた時に、というゆるい関わり方ですが、それでも四季折々の表情を見せてくれる植物たちに、毎日元気をもらっています。
ご近所のように整った庭ではないけれど、私にとっては十分に愛おしい空間です。
そんな庭を、私たち以外の誰かが楽しみに見てくれていたなんて。
ふと笑いがこぼれました。
何だかとっても、嬉しくなりました。
暑さの中で咲いたバラがくれた元気
その日の午後、洗濯物を干していたときのこと。
ふと目にとまったのは、一輪のバラ。
昨日は蕾だったけれど、きっとこの暑さでは咲かないだろうと思っていたのに・・・
今日、こんなにもきれいに咲いてくれていたんです。
「ありがとうね」
そんな気持ちでいっぱいになり、思わず夫に報告。
2人でそのバラを眺めて、しばらく笑顔になっていました。
こんなに暑い中で咲いてくれたそのバラの強さに、私も力をもらいました。
バラに教えてもらった気がします。
「がんばりすぎず、でもしなやかに前に進もう」と。
日々を大切に、感謝とともに
生きていれば、腹を立てる日もあるし、怒ってしまう日もある。
だけど、どうせなら笑って過ごしたい。
庭も、趣味も、無理せず楽しむのがいちばん。
若い頃は調子に乗って、迷惑も心配もたくさんかけたけれど・・・
夫に「妻」にしてもらい
子どもたちに「親」にしてもらい
そして孫たちに「おばあちゃん」にしてもらって
今の私は、たくさんの出会いと関係に育てられてきました。
子どもたちはそれぞれに頑張っているし、孫は最高にかわいい存在。
この日々に、心から感謝しています。
おわりに
誰かの何気ない一言に、心が癒されることがある。
そして、自分の暮らしを静かに褒めてもらえたとき、こんなにも嬉しくなるものなんですね。
自然のままの我が家の庭。
今日も、そこに咲く花や緑に励まされながら、自分らしく、穏やかに過ごしていきたいと思います。